暇なら旅に出よう

旅とか日々感じたことを。

アンコール遺跡群をマウンテンバイクで周ったら地獄をみたけど、天国もあった。

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~前回までのあらすじ~

シェムリアップに到着してから1週間、特になにもせず自堕落な生活をしていた俺はこのままじゃマズいと思い、意を決してアンコールワット観光に行く事にした。

 

そんなこんなでアンコールワット編、行ってみよう!

さて、アンコール遺跡群とはジャングルの中にあり、そしてめちゃくちゃ広い。

東京ドーム何個分かは分からないが、きっと20個分くらいはあるだろう。(適当)

よくテレビで見るアンコールワット、それは数ある遺跡群の中の一つでしかなく、あまり有名ではない遺跡も含めると600個くらいあるらしい。

そんな、行く前から観光する気が失せるくらい広いアンコール遺跡群だが、周り方にはいくつかの方法がある。

1つ目はツアーに参加する方法。

ツアー参加者何人かでワンボックスカーに乗り遺跡群を周るのだが、団体行動が大嫌いな俺はもちろん却下。

2つ目はトゥクトゥクをチャーターする方法。

宿で申し込めばトゥクトゥクが迎えに来てくれて、遺跡群を丸一日かけて案内してくれる。

これはもっともポピュラーな方法だが、俺の様に一人でチャーターするとなると高くつくので却下。

しかし、宿で仲良くなった人と一緒に周れるようなコミュ力高めの人はトゥクトゥクがおすすめ。

そして3つ目は街でマウンテンバイクを借りて自力で周る方法。

消去法でこれに決定。

安いし一人で気楽に周れるし「最高やん!」と思っていたが、この選択をしたことによって後に地獄をみる事になるとは、この時思いもしなかった。

 

そしてアンコール遺跡群を観光する当日。

アンコールワットの朝日は本当に美しい」

そんな事をネットでよく見るので、前日の夜、朝4時に起きれるようアラームを設定していたが、翌朝当たり前の様に9時に起きる。

しかし俺はこんなことで焦りはしない。

何があっても冷静でいること、これが人生において大切なことだ。

潔くアンコールワットの朝日は諦め、マウンテンバイクにまたがる。

まずはアンコール遺跡群に入るためのチケットを買いに行こう。

しかし何故かわからないが、チケットは遺跡群の入り口には売っていなくて、入り口から5キロ以上離れた所にチケット売り場がある。

そこまでわざわざ買いに行き、また同じ道を戻って入り口に行く。

この時点で俺は本気で宿に帰ろうかと思った。

どこのバカが何をどう考えたら、あんなに遠い所にチケット売り場を設営するのだろうか。

無駄な体力を使ったとしか思えない。

ぜえぜえ言いながらアンコールワットを目指していると、真横を通るトゥクトゥクに乗った、太った欧米人が悲哀の目で俺を見てくる。

俺と変われ、今すぐ変われ。お前は運動をした方が良い。

イライラがマックスの中、アンコールワットに到着。

 

俺はマウンテンバイクを止めると、遺跡には目もくれず近くの縁石に座り込んだ。

疲労で観光する気など全く起きなかった。

追い打ちをかけるように雲一つない青空から、灼熱の太陽が照り付ける。

この世の終わりの様な顔をして休んでいると、近くにいたトゥクトゥクの運転手が話しかけてくる。

「自転車でアンコール遺跡群を周るのは相当キツイぞ、俺のトゥクトゥクで周ろう」

そう言ってきた。

今の俺には最も効果的な営業だった。

思わず財布から20ドル出して「是非お願いします!!!」と言う所だった。

だがここで負けたら誰かの養分、今までの苦労が全て水の泡。

乗りたい気持ちをグッとこらえ、アンコールワットに向かって歩き出した。

しかしアンコールワットの遺跡自体もめっちゃ広い。

全部見るのに最短でも1時間はかかるだろう。

iPhoneでパシャパシャと写真を撮りながら、なるはやで見て周る。

アンコールワットで、一番意識の低い観光客は俺だろう。

夕方にまた来ればいいやと思い早めに切り上げた。

 

お次はアンコールトムに行く事に。

しかしこれまた遠い。

必死にジャングルの中をグングン進むと森の中から突然遺跡が出現。

最初にアンコール遺跡を見つけた人もこんな感じだったのだろうか。

アンコールトムはすぐ近くを森に囲まれていて幻想的だった。

 

お次にタ・プローム遺跡に行った。

ここは遺跡を侵食している植物が有名で、見ごたえはもちろんあるのだが、その壮大な景色をかき消す大勢の観光客。

雰囲気もクソもありゃしない。

ここもパパッと切り上げた。

 

ここまでいくつかの遺跡群を見て、最初こそ感動はあったが、素人から見ると遺跡自体はどれもそっくりで飽きていた。

なのでもう遺跡巡りはやめて、せっかくマウンテンバイクに乗ってるんだし森の中をサイクリングしようと思い、けもの道に入って行った。

すると以外にも俺と同じことを考えたのか、マウンテンバイクに乗った集団と何回かすれ違う。

そのまま気のままに森の中を走っていると、俺はそこで一番感動した遺跡に巡り合う。

その遺跡は完全に森の奥深くに眠っており、マウンテンバイクか歩きじゃないと行けない所にあった。

遺跡自体は半分以上が崩れており、中に入る時も崩れたブロックを足場にして入って行かないといけない。

時刻はもう夕方。

その遺跡には俺しかいなかった。

中に入ると崩れた天井からうっすらと日が差し込んできている。

そのどうしようもなく幻想的な風景にひどく感動した。

一瞬、タイムスリップしたかの様にさえ思えた。

「アンコール遺跡群に来て良かった」

心からそう思えた瞬間だった。

 

名前も分からないその遺跡を十分に堪能したあと、森を抜けて再びアンコールワットを目指した。

着くと急いで自転車を止め、左右をお堀に挟まれた長い一本道を走った。

そしてなんとか間に合った。

今日一日頑張ったあとのご褒美なのか、そこには夕陽に照らされて燦然と輝くアンコールワットの姿があった。

それを見た瞬間、疲れが一瞬で吹き飛んだ。

 

もう辺りも真っ暗な帰り道。

鼻歌を歌いながらマウンテンバイクを漕ぐ。

「また来よう」

静かにそう思った。

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