暇なら旅に出よう

旅とか日々感じたことを。

鴨志田穣の街 バンコク

なぜ俺が今回の旅で一番、バンコクに来たかったか。
それは俺が尊敬しているカメラマン、鴨志田穣さんが生前に住んでいたからだ。
俺が旅に出た理由というのも鴨志田穣さんの本を読んで、世の中にはこんな世界があるのかと、ひどく感動したからである。
鴨志田穣さんを初めて知ったのは、ゲッツ板谷さんの著書、インド怪人紀行を読んでいた時の事だった。
ゲッツ板谷さんは毎回、本の登場人物がどんな人間かという事をこれでもかって位に書かれている。
紀行本なのに旅の事より、人にフォーカスをあてているのだ。
そこがとてつもなく面白い。
その本で出会ったのが、マイページと言ってもいいほど常に怒りの弾丸を飛ばしていた男、鴨志田穣だった。
私が彼に抱いた第一印象は正直言って最悪だった。
なんだこいつは、旅の序盤から常に仲間に怒号を飛ばし、旅の雰囲気を最悪にする男。
旅の仲間は彼に怯えてしまい、おちおち発言もできないと言った始末。(ゲッツさん以外)
しかし、物語を進めていくと彼のぶっきらぼうで、トゲトゲしい優しさが見えてくる。
人一倍辛い経験をしたから、弱い人の痛みがわかる、そんな所に魅力を感じた。
優しさだけが愛ではない、厳しいのもまた愛という事を彼から学んだ。
最初に知ったきっかけこそゲッツ板谷さんの本だったが、勿論その後、鴨志田さんの著書も読み漁った。
彼の書く文章はいつもどこか寂し気で、表面の所は冷たく見える。
でもその文の中で、どこか人間の持つ根っこの温かさが垣間見える。
とにかく彼は、登場人物、そして自分の深層心理を描くのがとても上手い。
彼の本を読んだ後はいつも、どうしようもなく寂しくなるけど、心の奥が少し温まる。
そんな本を書く人だ。
カモちゃん、一回でいいから会って話したかったよ。
そんで俺にも聞いてくれよ。
お前が旅に出る理由はなんだ!?って。

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